A. 超高速レーザーの概念
超高速レーザーは通常、フェムト秒やピコ秒といった超短パルスを放射するモード同期レーザーを指します。より正確な名称は超短パルスレーザーです。超短パルスレーザーはほぼモード同期レーザーですが、ゲインスイッチング効果によって超短パルスを生成することもできます。
B. 超高速レーザーの種類
1. チタンサファイアレーザーは、通常カーレンズモード同期方式で、約5フェムト秒という短いパルス幅を生成できます。平均出力は通常数百ミリワットで、パルス繰り返し周波数は例えば80MHz、パルス幅は数十フェムト秒以下、パルス幅は数十フェムト秒以下であるため、非常に高いピーク出力が得られます。しかし、チタンサファイアレーザーは緑色光レーザーからの励起光を必要とするため、構造が複雑で高価になります。
2. ダイオード励起レーザーには、例えばイッテルビウムドープ(結晶またはガラス)やクロムドープレーザー結晶をベースにした様々な種類があり、通常はSESAMパッシブモード同期方式を採用しています。ダイオード励起レーザーのパルス幅はチタンサファイアレーザーほど短くはありませんが、パルス幅、パルス繰り返し周波数、平均出力に関して広いパラメータ領域をカバーできます(下記参照)。
3. 希土類元素を添加したガラスファイバーをベースとしたファイバーレーザーは、非線形偏光回転やSESAMなどを用いて受動モード同期させることもできます。平均出力、特にピーク出力に関してはバルクレーザーよりも制限がありますが、ファイバー増幅器と組み合わせることで容易に実現できます。モード同期ファイバーレーザーに関する記事で詳細を説明しています。
(4) モード同期ダイオードレーザーは、集積型デバイスまたは外部共振器型ダイオードレーザーであり、アクティブモード同期、パッシブモード同期、または混合モード同期が可能です。通常、モード同期ダイオードレーザーは、中程度のパルスエネルギーで、数千メガヘルツという高いパルス繰り返し周波数で動作します。
超高速レーザー発振器は、超高速レーザー システムの一部となることができ、ピーク電力と平均出力電力を高めるために超高速増幅器 (光ファイバー増幅器など) も含まれる場合があります。
投稿日時: 2023年6月20日